「交渉術がうまくなりたいと思って、イエスバット理論をネットで学んだ。でもなんかうまくいかない」
「イエスバット法を「そうだよね。でもさ…」と思っている。」
こんな人、もしかしたら間違った情報を鵜呑みにしている可能性があります。イエスバット法は正しく理解してこそ効力を発揮するのです。ナンパ師が解説。
どうも。プロの教育者×ナンパ師、ティノです。
今回は、巷でよく交渉術として紹介されているイエスバット法に基づき、交渉術で何が重要なのか、というところを解説していきます。
一般的に定められている技術は、素人がインターネットで仕入れた情報をそのまま形を変えてインターネットで紹介していることもあり、誤った情報が広まっていることがあります。
今回の記事を読むことで、本当に正しい交渉術、イエスバット法を身に付けていただけるはずです。
1:イエスバット法とは
イエスバット法とは、相手の意見をいったん肯定してから自分の意見を伝えるテクニックです。
しかし、その正しい形が広まっておらず、言葉通りの意味として以下のようにインターネット上で広まってしまっています。
1.1:イエスバット法の間違った使い方
例えば、こんな場面があったとします。
りのちゃん「ねね、今日は和食の店にいこうよ」
ティノ「(う~ん、今日はパスタの気分なんだよなあ…)」
ティノ「いや、俺はパスタのほうがいいな」
こうしてすぐに相手を否定してしまうと、相手は嫌な気持ちになってしまいます。
これを防ぐための手段として、間違ったイエスバット法が紹介されることが多々あります。
りのちゃん「ねね、今日は和食の店にいこうよ」
ティノ「(う~ん、今日はパスタの気分なんだよなあ…)」
ティノ「和食もいいね。でも、俺はパスタのほうがいいな」
どうでしょうか。反論の前に肯定的な言葉がはさまることで、言葉の印象が柔らかくなります。
・・・と、間違った意味のイエスバット法が広まっているのです。
確かにこのイエスバット法は相手を否定した際における相手に与えるダメージが軽減されます。
しかし、軽減されるだけで、結局はダメージが100から80になった程度。
なぜなら、どっちみち相手の意見を否定しているに変わりないからです。
それであれば、正しいイエスバット法の使い方を知って、確かな効力を発揮させましょう。
1.2:正しいイエスバット法
イエスバット法のように、反論する前に相手の意見を肯定してワンクッション置く話し方は、「クッション話法」と総称され、イエスバット法のほかに「イエスアンド法」「イエスイフ法」「イエスハウ法」などが紹介されることがあります。
これは確かに正しい情報で、このように分類分けすれば上記で紹介した言葉通りのイエスバット法も正しいものになるかもしれません。
しかし、イエスバット法だけが有名になってしまったがゆえに、皆が言葉通りのイエスバット法しか実践出来ていない現状が生まれてしまったわけです。
であれば、上記の「クッション話法」をイエスバット法と捉え、自由に使えるようになることが理想でしょう。
では、正しいイエスバット法を解説していきます。
本当に効力を発揮するのは、相手を否定しないイエスバット法なのです。
先ほどの例で考えてみましょう。
りのちゃん「ねね、今日は和食の店にいこうよ」
ティノ「(う~ん、今日はパスタの気分なんだよなあ…)」
ティノ「和食も好き!ただ昨日食べてしまった(泣)」
りのちゃん「そっかあ、何食べたい??」
ティノ「んー、パスタとかどう??」
りのちゃん「良いよ!」
これは相手を誘導した形式です。
先ほどと異なる本質は、相手を否定しないという部分になります。
他にもこんな方法もあります。
ティノ「んー、パスタとかどう??」
りのちゃん「パスタかあ、カロリー高いんだよなあ」
ティノ「(しまった、ダイエット中か!!)」
ティノ「確かに炭水化物だもんね、ただ今日は金曜日だし、たまには、ね?笑」
りのちゃん「まあたまにはいっか!」
これは応酬話法を使用した、イエスバット法のようなテクニックになります。
ここで、「りのちゃんは瘦せてるし大丈夫だよ!」というと、それは相手の意見を真っ向から否定しており、相手は「痩せなきゃいけない」と考えているため、それを覆すのはなかなか難易度が上がります。
「瘦せなきゃいけない」という価値観は受容し、それを否定せずに新たな価値を掲示する、イエスバット法の正しい使い方です。
どちらも本質は理解いただけたでしょうか。
イエスバット法といえど、そのまま「BUT」「でも」「しかし」など、相手の意見を真っ向から否定する意味合いをぶつけては効果が半減してしまうのです。
2:イエスバット法を正しく使って人間関係をスムーズに
このイエスバット法は、何も恋愛だけに効果を発揮するわけではありません。
人間関係のあらゆる場面で使うことが出来ます。
例えば、先ほど紹介した応酬話法も一種のイエスバット法といえます。
詳細は下記の記事で紹介しているので、見てみてくださいね。
◆営業スキルを恋愛に活かす!「応酬話法」を用いた男女の信頼関係構築
他にも、友達との些細な会話で使うことだって出来るんです。
Aくん「今日飲み行こうよ!」
ティノ「飲みたいなあ!ただ今日はダメなんだよ~」
これも、イエスバット法が入っているんですね。
単に
ティノ「今日は駄目だ!」
と言うよりも、拒絶感がなくなるため、人間関係構築の初期であればこのような断り方をした方が「良い人」と思われやすくなります。
他にも、クレーム処理などでは相手を否定しない、ということが大切になります。
お客さん「鮭定食500円を頼んだのに、お会計680円で間違ってるんですけど。」
店員「あ、申し訳ございません。これ鮭ハラス定食になってますね。」
お客さん「あー、あれハラスだったのか、、、私は鮭定食頼んだんですけどね。」
店員「・・・でも召し上がりましたよね?」
お客さん「・・・いや、まあそうなんですけど、、、」
こんなクレーム対応してたらもうリピートしてもらえなくなります。
ここでイエスバット法を使って、
お客さん「鮭定食500円を頼んだのに、お会計680円で間違ってるんですけど。」
店員「あ、申し訳ございません。これ鮭ハラス定食になってますね。」
お客さん「あー、あれハラスだったのか、、、私は鮭定食頼んだんですけどね。」
店員「そうだったんですね、申し訳ございません。」
お客さん「・・・」
店員「・・・」
お客さん「まあ、食べたから払うよ」
店員「すいません、ありがとうございます。」
こっちの方がお客さんに不快感を与えずに処理することが出来るわけです。
クレーム対応の基本は相手を否定しないこと。
ここにもイエスバット法に通じる部分があるということです。
以上、正しいイエスバット法の使い方についてでした。
単純に「Yes, But~」で話を展開してしまうと、それは相手を否定してしまっているので、正しい効力が発揮されません。
なぜイエスバット法を使う必要があるのか、本質は何なのかを理解して、日々の信頼関係構築に役立てていきましょう。
ティノ
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